私の経験からSalesforce導入プロジェクトで注意する点シリーズの3回目です。
今回はプロジェクト最初の場面、主にキックオフミーティングの際に顧客に依頼するプロジェクト体制についてです。
プロジェクト体制を安易に考えてはいけません。顧客任せにしていると、プロジェクトが計画どおり進まず納期遅延やコストオーバーに発展します。
では注意点を書いていきます。
1営業マネジャーに意欲的に参加してもらう
SFDC案件の要件定義は画面を見ながらどうやって使えばよいのかを決めていくわけですから営業部門の責任者が参加しないと話になりません。
キックオフミーティングの時にプロジェクトオーナーにプロジェクトメンバーを決めてもらうわけですが、その場で決めてもらうために、印刷した体制図を持っていきその場で記入してもらいます。
営業責任者が参加しないといけない理由をプロジェクトオーナーに説明すると大体はその場で営業部長などマネジャーの名前を記入してくれます。
指示されれプロジェクトに参加する人は参画意欲は低いものです。社長から指示されてしょうがなくと思っていることが多いものです。
そのうえ、プロジェクトミーティングでは自分自身が入力することがない取引先や商談の入力入力画面ばかりを検証していたら、意欲はさらに低下させてしまいます。
このような時良いのはダッシュボードをテーマにたミーティングをはじめにやることです。
各営業マンの商談状況や活動実施状況がどういう画面で見えるのか? またはどういう数値が見たいですか?などを検討するミーティングを最初にすると参加意欲は高まります。
SIで要件定義を多くやってきた開発者の人であればプロジェクトのスタートはインプットそれもマスタの項目定義からはじめるのが王道だとおもいます。
そののりで取引先の入力画面を検証し、次に取引先責任者、次に商談というミーティングを繰り返すと営業のマネジャーはそのうち参加しなくなるでしょう。
なのでダッシュボード、KPIなどアウトプットから始め、最後はマスタデータの項目定義をするというのが弊社の標準的なプロジェクトの進め方です。
2プロジェクト人数の適正化
顧客側の参加者は3名から5名程度が望ましいと思います。それ以上になると話がまとまらない事が多くなります
これは中堅以上の企業、従業員が300人以上おられるような企業に多いです。
営業プロセスが複数あるような企業、例えば国内販売チームと海外販売チーム、代理店向け営業と直販営業、製品別に営業部門などなど、営業プロセスが違う各チームから参加するメンバーが選出されると参加者が増えます。
参加者が多いと要求もそれに比例して多くなりますが、困るのは要求が多くなっても部署が違うために全体を取りまとめる人がいないということです。
自分の課題をマネジメントする人がいない場となると誰もで自分の利益を優先するのは当然だと思います。
我々が課題管理は当然実施するのですが、自分の利益優先、つまり自分の部署が使いやすいシステムにしたいという人の集まりでは要求は増えるばかりで、プロジェクトはシステムの使い方を決めるものではなく、できる事とできない事の質問に答えるだけの場になってしまうのです
このような状態となると開発スケジュールは徐々に遅れ始めます
これはプロジェクトの命令系統が原因であり、我々ベンダー側のプロジェクトの進め方を見直しても大きな効果は見込めないでしょう。
ですので、キックオフミーティングでプロジェクト参加者を決めるとき、3名から5名程度にしてもらうことをプロジェクトオーナーに依頼することです。
ただ1の注意点とは違い残念ながら聞き入れてもらえないことが多いです。
なので提案の時点でプロジェクトメンバーが5人以上いることがわかればスケジュールは長目に作成することをお勧めします。