Salesforceプロジェクトの困ったこと⑤商談の定義

投稿のタイトルを「Salesforceプロジェクトの注意点」から「困ったこと」に変更しました。


弊社の事例を思い出して書いていくと注意点というよりも困ったことのほうがニュアンスが近いと思います。今回は商談をテーマにします

ぶつかったこと

  1. 一度の提案で複数の商談が発生するケース
  2. 代理店経由で商談が発生するケース
  3. 金額や完了予定日がない商談が発生するケース

いずれもSalesforcの一般的な使い方とは違いと思います。


恥ずかしい話ですが、提案時点でわかればよかったのですがいずれもプロジェクト開始後にわかったことばかりです。コストもオーバーしますし、開発スケジュールがタイトになりますので注意が必要です(汗)


その内容について書いていきます

一度の提案で複数商談が発生するケース


このケースは人材紹介会社や不動産業など顧客に複数の商品(仕事や部屋)を提示し、その中から一つ顧客が選択して決めるというような場合がこれにあたります。


顧客が仕事や部屋を決めたあとから商談を作成するのであれば商談は一つのみ作成するので標準的なSalesforceの使い方になりますが、提案した全ての仕事や部屋を把握したいという要望があれば新規提案時には複数の商談を作成する必要があります。


1営業マンあたりすごい数の商談を作成する必要があるのでSalesforceの標準画面で作成するのは現実的ではありません。

該当する仕事や部屋を検索する画面とその検索結果から一括で商談を作成する拡張機能の開発が必要になります。


商談商品を使えば良さそうにも思えますが、提案する仕事や部屋ごとに面接日や検討状況など異なる情報が発生するので商談商品では対応できません。


更新する画面も必要になります。人材紹介会社の場合、一般的に一つの商談が成立すると他の商談は全て不成立になります。

これも1件づつ更新するには現実的ではりませんので一括で更新する画面が必要になるでしょう。


拡張画面がないとシステムの運用にのりません。

開発を見込んでなかったので、標準画面で商談作成を行ってほしいと言うとクレームになる可能性大です。注意したいものです。

代理店経由で商談が発生するケース


代理店向け営業をされている会社さんは沢山ありますが、大きな流れとして代理店に新商品や新企画を持ち込み、その企画を代理店がもつエンドのお客様に提案をかけるというケースがこれに該当します。


この場合、まず代理店から訪問するエンドのお客様リストをもらうと思うのでそれを取引先に登録します。

そしてエンドの顧客を訪問し、提案した結果を商談として作成することになります。


ここまでは何も問題ありませんが、このような場合、だいたいは企画ごとまたは代理店ごとに提案した結果の勝敗をわかるようにしたいという要望が必ず出ます。


勝敗はキャンペーンを利用すると簡単に出るようになるのですが、エンドのお客様向けの商談を全て作成する必要があることとそもそもエンドのお客様を取引先に登録しておく必要もあります。


代理店の先のエンドのお客様は大量に存在するのがほとんどです。代理店はエンドの顧客(小売店である場合が多い)とメーカーをつなぐ役割をになっているわけですから、当然といえば当然です。


そのようなことからここでもエンドのお客様向けの商談を一括作成する拡張機能、画面とプログラムが必要となります。


このような機能がないと、結局エンド顧客向けの商談が作成されず、代理店向けに商談を一つのみ作成し、エンド顧客向けは訪問した記録のみ残すと運用におちいる可能性が大です。


こちらも同様に代理店の先のエンド顧客、販売店の提案状況をどこまで管理するのか?という質問を提案時に実施しておくことが大切です

金額や完了予定日がない商談が発生するケース


商談に金額や完了予定日がないケースは製造業には普通にあります。


製造業で新しい商品の企画を大手メーカーにしているようなケース、例えば部品やパーツ、パッケージの製造など受注が決まると毎月定期的に注文が入ってくるような業種の会社がこれに当たります。


そのままカスタマイズ作業を進めるとSalesforceで提案商談の進捗管理できるが件数しかわからないということになり、件数だけ把握するならエクセルでも十分じゃないかという声も出ますし、ダッシュボードは作成できません。


ダッシュボードのないSalesforceってどうですか? 


そして悪いことに、このような会社様の場合、営業マンの評価は何でされているかというと、定期的に入ってくる担当顧客の注文金額であることが多いのです。


Salesforceには新規提案中の商談は入力しますが、定期的に入ってくる注文を入れることはありません。定期注文は受注用の販売管理システムに入力されるのです。


そうなるとSalesforceでは何も見えないではないかということになります。


このようなことを避けるには、最初の時点で、製造業の場合は新規提案のKPIがあるかどうかをヒアリングするようにしています。


新規提案のKPIがなければ作成を依頼します。だいだい年間の発注見込み金額や製品1個あたりの受注単価などになることが多いと思います。


本件はベンダー側で対処すべきことかというとそうではないと思います。

できればSalesforceを購入する前に営業のKPIぐらいは明確にしておかないと、目的がなく物だけ買ったということになります。


しかしインプリベンダーとして採用された以上、できるだけはじめの段階でKPIの説明と検討方法、他社事例をお渡しするだけでもお客様の満足度は高まります。

以上の3点、皆さんの参考にしてもらえると幸いです

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